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医療志民の会ニュース vol.11

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◆◇ 医療志民の会ニュース vol.11 ◇◆

医療志民の会 http://iryoushimin.cocolog-nifty.com/blog/
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平素より大変お世話になっております。医療志民の会事務局の竹内麻里子です。

医療志民の会ニュースvol.7でご紹介致しました、(財)化学技術戦略推進機構(JCII)
研究員 日吉和彦様の論文「杞憂であればよいが、欠品問題は続発しないか?」
について、千葉県がんセンターの高野英行様より、「米国の輸出業者、米国品の
輸入業者は、ドル安により、優位にはなっても不利にはならないのではないか。」
という主旨のコメントをいただきました。

これについて日吉様よりご回答いただきましたので、高野様のコメントとあわせて
ご紹介させていただきます。

<高野様のコメント要旨>
ドル安になっても、日本の医療機器はほぼ公定価格であり、国内機器メーカーの値段
が下がりませんので、競合米国メーカーの機器の値段は下がりません。国内販売
会社は、ドルベースでの仕入れであれば、例えば仕入れ価格が110円から90円へと
安くなります。
また、米国メーカーからすれば、例えば
11000円で売っていると100ドル(:1ドル110円で)の売り上げであったものが、
10800円で売っても、120ドル(:1ドル90円)の売り上げとなります。
ドルベースでは売り上げが増えることになり、米国に比べて日本の方が、今後高収益
を期待できる市場となります。円安が日本の輸出業者に有利なように、ドル安は、米国
の輸出業者にとっては、優位にはなっても不利になることはありません。

輸入業者は、為替レートをドル高に予約してあってそれよりも為替レートが下がってしま
った場合に不利となります。しかし予約時の予想利益が減るのではなく、ドル安によって
得られたはずの不労利益が減るのみであり、他の業者と比べれば不利にはなりますが、
予想利益以下になるわけではありません。


<日吉様のご回答>
先日「杞憂であればよいが、欠品問題は続発しないか?」という小論を投稿させて
いただきました。

投稿すると云うことが、何らかの反響があって、議論があって、世論(せろん:public
sentiment)ではなくて、輿論(よろん:public opinion)が形成されていくことにつな
がれば望外の喜びとなります。
早速コメントを頂き、ありがたく存じます。

ご指摘の内容は、このところの円に対するドル安が、米国の在日医療機器メーカー
や販社にとって収益悪化の方に効いているとする記述は誤りであるというものでした。

基本的に、マクロに見て、円高ドル安は米国にとって日本への輸出には絶対有利です。

思い起こせば1971年ニクソン大統領による金本位制の廃止から我が国の全体が円高
の影響に曝され、1985年プラザ合意、1987年ブラックマンデーが起こり、対円ドル安が
一気に進み、大まかには、1ドル=100±10円と言う時代が20年続いているのです。

しかも、1985年のモス協議で日本の2大輸出産業である自動車とエレクトロニクスを
救うため、当時ようやく産業化の芽生えが見えだした我が国医療機器はあっさりと
人身御供のように差し出されて、米欧からの洪水のような輸入の前に手を拱くばかりでした。

先の論考では、厚労省の生産統計を大まかに引いて米国から6000億円と書きました
が、米国医療機器・IVD工業会は自ら、「日本市場の40%にあたる、およそ85億ドルの
売り上げ...(2008年4月調査)」と云っています。実に大きな数字です。

このように日本市場で大いに利益を享受してきた米国医療機器産業がこれまでに
経験したことのない試練にたたされているということを、まず強調したいと思います。

先の小論では、米国ほどには儲けられない構造の我が国薬事・薬価の制度と、米国
での新しい法案の動き、それに2国間の為替リスク、と三題話のように並べて、論点
を強調するために大変おおざっぱで乱暴な計算による数字を並べて示した嫌いは
確かにあります。

為替レートと企業収益の関係は、決して単純なものではありません。しかし、やはり米国
系企業関連の日本法人が苦労しているのだという話を改めてする気はありません。
そのような企業の代弁をするのは、全く、趣旨では無いからです。

今一度強調したいのは、米国の医療機器メーカーの収益は、悪化、または将来厳しく
なることははっきりしているということです。つい先日もトップメーカーの大規模リストラが
発表されました。

そして、先の小論で述べたように、事業セグメントの切り売り整理が今後も発生する
可能性は大きいと見なければなりません。A社で低収益ないし不採算だったものをB社が
買収した場合、販売経路の見直しは必ず行われます。

その結果、B社は日本への輸出を取りやめると言うことが大いに起こりえることを訴え
たいというのが論旨です。

骨髄フィルターの時は、別に日本への輸出を止めるつもりは無かったかもしれません。
単に規制に無知であっただけなのかもしれません。しかしこれからは低収益や不採算が
理由で供給が途絶することが起こるのではないかという危惧を皆さんと共有したいと思います。

急な対策とはなり得ませんが、国産または生産地がどこであれ、国内企業に国民の安全
・安心を守る社会的責任を果たして貰うようにするにはどうしたらよいかも、あわせて考えて
ゆければと願います。

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